ソロモンでビシッとね！
そんなセリフあったんかいな？
しかしながら、
ソロモン最新情報あれこれ
「トラトラトラ！」を今再び！
ーー真珠湾攻撃はこうだった！ーー
【１】 歴史に残る傑作戦争映画！
「トラトラトラ！」ポスター！
「トラトラトラ！」は、１９７０年公開のアメリカ映画。
１９４１年１２月８日（現地時間 ７日）、日本海軍の機動部隊による
ハワイ真珠湾への奇襲攻撃、それまでの経緯を克明精緻に描いた
戦争スペクタクル巨編です！
封切り初日、テアトル東京に観にいった 若い自分を思い出します。
１９７０年は、大阪万博を開催した日本経済の高度成長の絶頂期、
１年後のドルショック、３年後の石油危機により 安定成長期に移行
するという節目の時代でした。
題名の「トラトラトラ！」とは、日本の攻撃隊が打電した「トラ」連送、
「我、奇襲ニ成功セリ！」という暗号電文です。
「トラ」連送は、単に キーを打ち易いからで、「虎・虎・虎」の意だと
しばしば誤って伝えられます。
太平洋海域でのアメリカ陸・海軍の本拠地が、真珠湾 （ Ｐｅａｒｌ
Ｈａｒｂｏｒ）です。
機動部隊の参加空母は６隻、艦載機も約３５０機でした！
アメリカ側のシークエンスをＲ．フライシャー監督、そして日本側の
シークエンスを 舛田利雄＋深作欣二監督が担当。
日本側のシークエンスは、当初、黒澤明監督が務めていましたが、
３週間で 降板となりました。
降板理由は 不明ですが、何しろ「黒澤天皇」 ですから、何と
なく いろいろ問題があったことは、推察が付きます。
ただし、黒澤たち日本、アメリカの脚本がよかったせいか、史実に
忠実な、映画史に残る戦争映画の傑作となりました。
伝統的邦楽の旋律を大きく採り入れたＪ．ゴールドスミスの音楽も、
勇壮でもう素晴らしい！
真珠湾攻撃の映画で、日本側の視点も 堂々と入った映画のゆえ、
アメリカで 低評価だったようですが、日本は勿論、「アメリカ嫌い」と
いう中東で 受けに受けた模様です。
題材が 題材だけに、日本人には高揚感、痛快感 を覚える、
複雑な心境の戦争映画です！
真珠湾攻撃がよかったのか悪かったのか、という歴史的な認識を
曖昧に麻痺させるからです。
しかし、「トラトラトラ！」は素晴らしい！
「トラトラトラ！」以上の「真珠湾映画」はない、と 断言できます！！
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【２】 分かり易いストーリー！
（１） ストーリーの要点！
この映画の ストーリー の要点は、「アメリカ軍の間抜け」、
「山本五十六の暴走」です！
〈 アメリカ側 〉
傍受、解読をした日本の外交暗号電文で、ワシントン海軍情報部、
クレイマー 少佐、陸軍情報部、ブラットン 大佐らが、外交交渉決裂、
開戦を察知していたにもかかわらず、ハワイ 太平洋艦隊司令長官、
キンメル大将、ハワイ方面陸軍司令長官ショート中将にすぐ情報を
伝えることもできなかったとされます。
軍は階層組織であり、情報伝達も迅速とはゆきません。
情報の秘匿性も、阻害要因になり得ます。
私の理解では、さすがに軍上層部も警戒していたはずのところが、
この映画では、何やら呑気な風に描いています。
このように、ワシントンの軍上層部に批判的で、ハワイのキンメル
提督、ショート将軍へ 割と同情的です。
ワシントンが安閑としたため、ハワイの第一線も警戒を怠りました。
それにしても、どうやら アメリカ軍の「間抜け」 振りは、上下に
関係なく 染み付いていたようです！
ハワイ周辺域をまともに哨戒せず、レーダー 監視も適当‥‥！！
〈 日 本 側 〉
連合艦隊司令長官、山本五十六中将は、戦略的「是非」を十分に
検討する ことなく、「独断専行」でハワイ真珠湾攻撃を決めてしまい、
その一大「博打、投機」作戦も 成功を見ましたが、日本の最後通牒
（宣戦布告ではない）は 攻撃開始後となりました。
私には、真珠湾⇒ミッドウェイ ＋アリューシャン⇒ガダルカナルへ
続く、山本五十六の「独断専行」、「拡張」路線は 理解できません。
「気宇壮大」すぎて、誠に恐れ入ります。
ミッドウェイでは空母４隻が犠牲になり、ガダルカナルが決戦場の
ソロモン諸島の悲惨な消耗戦は、策として「下の下」です！
アリューシャンも、結局１年余しか持ちませんでした。
山本五十六の「暴走」を止める者は、いなかったのか‥‥？
真珠湾攻撃成功の 一報を受けた際、山本は陰鬱な表情だったと
報告されています。
山本五十六像については、「通説
、「俗説」、つまり阿川弘之らが
創り出した「山本五十六 神話」に基づきます。
そのため、映画の中の山本は、颯爽としてどう見ても偉そうです。
なお、日本の最後通牒は 真珠湾攻撃の開始後 でしたが、それを
「騙し討ち」（ｓｎｅａｋ ａｔｔａｃｋ）だというのは、アメリカの「負け惜しみ」、
「言い掛かり」にすぎません！！
真珠湾が奇襲攻撃をされたのは、日本の最後
通牒の前・後に関係なく、アメリカ軍が「間抜け」
だったのが要因です！！（※日本の最後通牒は、後述の
「ハル・ノート」を了解できない旨の回答にすぎず、奇襲攻撃後 でも
別段「無作法」ではありません！）
※奇襲攻撃 ＝ ｓｕｄｄｅｎ ａｔｔａｃｋ または ｓｕｒｐｒｉｓｅ ａｔｔａｃｋ！
（２） ストーリーの美点！
この映画では、真珠湾攻撃の 「ローズベルト 陰謀説」に、
当然のこと立脚などもしません。
「ローズベルト陰謀説」という噓八百は、Ｆ．ローズベルト大統領が
アメリカ国民の厭戦気分をよそに、第二次世界大戦へ参戦したくて、
この口実にわざと日本に真珠湾攻撃させたといった説です。
この説は度々登場しては、否定されました。
私がローズベルト大統領だとして、真珠湾攻撃も事前に分かれば、
戦艦が８隻も 損害、死亡者２，４００名強、負傷者１，４００名弱など
到底出させません。
どうやら、原作者、脚本家、監督は、さほど「お馬鹿」でもないです。
開戦前後、まだ日本の海軍暗号電文のほうは
解読をされていません！
機動部隊も、察知されないように、無線封止を
徹底実行していました！
ローズベルト大統領が、日本へ第一撃を撃たせたいと思ったのは
事実でしょうが、その際の第一撃とは たかだか フィリピン沖近辺で
小型艦船が２～３隻撃沈される程度と考えます。
ただし、真珠湾の対空砲火は 凄かったらしいですから、アメリカも
攻撃に対して一応の覚悟はしていたのでしょう。
１９９９年にＲ．スティネットという人が『真珠湾の真実』（邦訳名）と
いう「陰謀説」本を出版し、「日本の騙し討ちではなかった」と一部の
右翼がはしゃぎましたが、本の内容は悉く論破されています。
それらの 右翼の方々にとり、「日本が罠に掛かった」という内容は
嬉しいのでしょうか‥‥？
「お馬鹿右翼」にも、実に困ります！！
（３） ストーリーの難点！
この映画では、真珠湾攻撃について 重要というより、決定的な
一大事案が欠落 しています！
それは、真珠湾攻撃の直前の１１月２７日、Ｃ．ハル国務長官より
受け取った覚書、いわゆる「ハル・ノート」の存在です。
この映画では、日本が一方的に外交交渉を打ち切ったかのごとく
描いていますが、それは事実と異なります！
日本が交渉期限を １１月２９日に区切った点を交渉決裂、開戦の
意図があると見なしているようです。
「ハル・ノート」を無視したことでは、やはりこれはアメリカ製映画と
思ってしまいます。
「ハル・ノート」とは、アメリカからの最後通牒とまで評されるもので、
日本の中国 またフランス領インドシナ（現在のベトナムなど）からの
撤兵、「日独伊三国同盟」の空文化など という、日本としてはとても
受け入れられない条件を突き付けています。（※その頃、アメリカは
中国軍を支援し、支援路が日本軍が遮断した北部インドシナでした。
日本軍の南部インドシナ侵攻に対し、アメリカ も日本へ石油禁輸に
出たという大問題があります！）
これをアメリカによる「挑発」と理解した日本は、もう外交交渉も
不可能と判断し、早くも ハワイに向け航行していた機動部隊に対し、
「ニイタカヤマノボレ 一二〇八」（１２月８日 開戦」という大変有名な
暗号電文を打電したのでした！
アメリカ側のＣ．ハル国務長官と「ハル・ノート」
こそが、最大の戦争責任！
Ｆ．ローズベルト大統領も、承諾済みの 内容！
戦争は、アメリカが 仕掛けた！！
（※真珠湾攻撃 「ローズベルト陰謀説」 と混同しないように‥‥！）
決して、日本が仕掛けた訳でもありません！！
どうして、誰も 余りそれをいわないのか‥‥？
この点、皆さん、よく 覚えておいてください！！
ただし、交渉 打開の場合、機動部隊は引き返せという命令が
山本五十六長官よりあったとされます。
さらに、この映画では、ローズベルト大統領は 天皇宛の「親書」を
送るなど、最後まで「和平」を追求した人物として描かれていますが、
これは全くの「欺瞞」というべきです。
この「ハル・ノート」で、真珠湾攻撃も確定的となりました！！
真珠湾でよかったのかは、別として‥‥！！
（４） 画像で観るストーリー！
オープニングで戦艦長門に整列する将兵たち！
連合艦隊司令長官、山本五十六中将（山村聰）の就任！
航空参謀、源田実中佐（三橋達也）の着任！
戦艦長門艦上での作戦会議（山本長官と黒島参謀）！
超低空雷撃訓練をする九七艦攻（九七式艦上攻撃機）！
北太平洋の荒海を進む 機動部隊の空母群！
※「ハル・ノート」により、機動部隊は引き返す結果でなく、ハワイへ
行く運命になりました！
炊事兵（主計兵、渥美清、松山英太郎）のコミカルシーン！
※日本公開版のみの シーン！
安閑とするワシントンのアメリカ軍上層部（海軍長官室）！
発艦待機した攻撃隊、淵田美津雄中佐（田村高廣）、一方で見送る
機動部隊司令長官、南雲忠一中将（東野英治郎）！
暁に空母赤城を発艦する九九艦爆（九九式艦上爆撃機）！
真珠湾へ飛行する九七艦攻の編隊！
超低空で機銃掃射に入るゼロ戦（零式艦上戦闘機）！
※増槽（落下燃料タンク）が付いたままで、奇妙です！
猛烈な対空砲火の中を飛び抜けるゼロ戦隊！
アメリカの戦艦へ魚雷を投下する九七艦攻！
湾内で爆発、炎上するアメリカの戦艦群！
撃沈され炎上するアメリカの戦艦群！
※これは 実際の写真です！
※水深が約１２ｍと浅いため、戦艦も完全には沈没していないのが
お分かりかと思います！
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
追 記 ： 第二次攻撃の中止！
機動部隊が 第二次攻撃を中止したのは、有名な逸話です。
一説によると、南雲長官が 迷っていたので、参謀長、草鹿龍之介
少将が「今後、第二、第三の敵と戦わねばならない。真珠湾のみに
拘泥すべきで ない」と 進言したとされます。
第二次攻撃は奇襲でなく「強襲」となってしまい、効果が どれほど
あるか不明で、犠牲の甚大さは 計り知れません。
私は、第二次攻撃の中止は「英断」だと思います！！
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【３】 実写に拘った「スペクタクル」！
戦争を「スペクタクル」というのも気が引けますが、予告編でもそう
いっているので、ご容赦ください！
ところで、この映画が戦争映画である限りは、艦船、軍用機などを
当然登場させなければなり
せん。
しかし、真珠湾攻撃だと、これらの大半はとうに現存しないのです。
まだ ＣＧ（ＶＦＸ）などがない時代、かなり昔の東宝（円谷英二特技
監督）のように、ミニチュアのスケールモデルを使うのも方法ですが、
この映画では 驚くことに「造って」しまいました！
とにかく、「トラトラトラ！」では、実写に徹底して拘って います。
その点が、「トラトラトラ！」の大きな魅力です。
現存する「実物」も、許す限り活用しています。
勿論、以上のことが どうしても不可能な場合、ミニチュアモデルを
使ってもいます。
オープニングの実物大の戦艦長門（右半分ほぼ全体）、空母赤城
（前半分、艦橋は右舷に変更）、さらに 真珠湾シーンに登場の戦艦
ネバダ（後ろ右半分）の驚きのオープンセット！
また、圧巻は驚くほど上手く再現されたゼロ戦（零式艦上戦闘機）、
九九艦爆（九九式艦上爆撃機）、九七艦攻（九七式艦上攻撃機） と
いった日本の艦載機！
必要最小限な数でも、相当の機数に見える工夫をしています。
ゼロ戦や九七艦攻が、カーティスＰ－４０トマホーク戦闘機に撃墜
されるシーンも、アメリカ製映画ゆえの「ご愛嬌」 でしょう。
それら艦載機などのアクロバット飛行は、大変だったと思います！
私の記憶では、実際にパイロットが何人も亡くなっています。
その他のスタントマンたちも、命懸けだったはずです。
そんな映画、他に幾つもありますか‥‥？
以下、実写関連の画像をよくご覧に入れましょう！！
将兵が整列した戦艦長門のオープンセット！
ノースアメリカンＴ－６練習機を改造したゼロ戦！
バルティーＢＴ－１３練習機を改造した九九艦爆！
Ｔ－６とＢＴ－１３を繋ぎ合わせた九七艦攻！
カーティスＰ－４０トマホーク戦闘機（実機）！
ボーイングＢ－１７重爆撃機（実機）！
艦載機の発着艦シーンに使ったアメリカ空母ヨークタウン！
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「トラトラトラ！」をすでにご覧の方も、まだ観て
いない方も、ご覧になってはいかが？
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【４】 「トラトラトラ！」精選ＹｏｕＴｕｂｅ！
「トラトラトラ！」予告編！（３分４０秒）
「トラトラトラ！」メインタイトル曲！（３分１０秒）
オープニング・シークエンス！（２分）
ゼロ戦 対 Ｐ－４０の空中戦！（２分５０秒）
――――――――――
【 速 報！】（１２月１８日記）
護衛艦いずも、かがの「空母化」決定！
威風堂々、護衛艦いずも！（同型艦かが）
本１２月１８日、日本政府は「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備
計画を決定し、その中で現在は実質ヘリコプター空母である護衛艦
いずも、かが（双方とも、全長２４８ｍ、満載排水量２６，０００トン）に、
短距離垂直離着陸型ロッキード・マーティン社製 Ｆ－３５Ｂ戦闘機を
載せ、「本格空母」として運用することを明記しました！
当面は、中継基地的な運用方法に留まるのでしょう。
しかし、これは、将来の純粋な「本格空母」の建造と運用の布石と
なる可能性があり、徐々に国民を「平和ボケ」から慣らしてゆき、
日本も中国へ対抗する「空母保有国」となるという深謀遠慮と
推察されます。
だと すれば、政府、防衛省は「話の運び方」が上手いです。
というよりも、建造構想段階から、「空母化」はもう折り込み済みの
条件だと想像しますが ‥‥。
当然ながら、中国はこれに猛反発しています！
極左評論家、佐藤優氏の 「空母無用論」 などは笑止千万！
日本海軍 機動部隊の栄光、再び！！
旭日旗（現自衛艦旗、旧軍艦旗）！
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