ゲノム 九州行くなら、新幹線。

ゲノム 九州行くなら、新幹線。

「ゲノム」が日本をダメにする

オープニングのこの美しい映像は……
.
映画『GATTACA』より 「The Departure」
皆さんこんばんは。
ここ数日、ゲノム編集で誕生した(と言われている)双子のことが話題ですが、それに関連して耳にする「デザイナーベイビー」という言葉。
今夜はこの言葉に触発されて思いついた短編をアップしてみます。ちょっとおふざけが酷いかな……
 ✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
男は、ある病院の一室で短い啓蒙ビデオを見せられていた。
「♡ ウェルカム マイ デザイナーベイビー ♡」
小洒落たデザイナーズマンションのリビングからメトロポリスを見下ろす様子を背景に、♡マークで囲まれた文字が浮かび上がった。昔は出産を控えた妻を持つ男が父親学級に参加したらしいが、今は子供を持ちたいと思うや否や、なぜか近くの産婦人科でこのビデオを見せられる。政府が新たに決めたコンプライアンス規定らしいが、男は頻繁に出てくるピンクの♡マークが、よく通う風俗のお店を思い出させて落ち着かなかった。
画面はマンションからの遠景に続いてごく普通の男女を映し出す。ショッピングモールで出会いそうなふたりでな~んの特徴もない。夫役は俳優のオイカワに似ているが、妻役はダンレイさんには似ても似つかない。そりゃそうだろ、妻がダンレイさんなら、そもそもデザイナーベイビーじゃん。
そんな男のひとりツッコミはさておき、映像はふたりに挟まれた青い目のベイビーに変わる。やわらかな金髪が、なぜか風にそよいでいた。
「どうです? ええやんこれ、って思いましたよね?」
小指にデカいカレッジリングを嵌めたブ男が、中途半端な関西弁で話しかけた。( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う下品な顔が醜い……そう、ケイシイタカミネみたいだ。
「ええ、まぁ…… でも私には関係のない世界ですけど」
そりゃそうだ。
男はフットのイワオに似ている。あいつはブサカワだが、おまえはただのブサイクと言われ続けた。どこがどう違うんだ? と鏡を見るがブサカワとブサイクの区別はなかなか難しい。
「それに、ヨメハンも……」
そう言いかけて止めた。男の妻はオカリナに似ている。が、見ようによってはカワ(・∀・)イイ!!じゃねーか、男はマジでそう思っているのだ。
「いえいえ、ご主人。ご主人さえご決断なされば、こんな顔くらい、おちゃのこさいさいですから」
胡散臭いカレッジリングのブ男は自信満々にお茶漬けを掻っ込む真似をして( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。笑いのツボが違うから、関西人ではなさそうだ。
そんなことにはお構いなく、ブ男はおもむろに螺旋のDNAモデルを男の前にデンと置いた。前置きは終わったらしい。
「いいですか、ご主人。子供の身体的特徴というのはですね、こことここ、それからここもかな。まあこっちも入れとくか、ついでにここ……、まあこんなもんだろ。ねっ、ご主人、この三っつ四っつのパーツをちゃっちゃっと切ってですね、お好みのパーツと交換するだけで、どーにでもなるんですよ」
ブ男は塩基モデルのいくつかを別の色のものに取り換えて、ほら、と男の前に差し出した。男が手にしたモデルは、もう何千回も使い廻されているのだろうか、一部が欠けたり色が剥げたりしている。
「ここを交換するとどうなります?」
男はぐるぐるとモデルを回しながら、生々しいピンクで色付けされた塩基のひとつを指先でつまんでみた。
「そこですか? えーっと、ちょっとお待ちくださいね…… ABの775568番ね…… あー、そこはおっぱいのサイズですね。デフォルトは1ですが2にして豊満にもできますよ。そうします?」
「えっ…… 妻のでもないしなぁ、デフォルトでいいです」
「そうですね。バランスが妙なのもね。ここはデフォルトがお勧めです」
そう言って、ブ男はピンク色の塩基をなぜか嬉しそうにスリスリした。
「こんなふうに作り上げていくんですよ。楽しいでしょ? 突然生まれてこんにちわ、と言われるより、おー、これがオレの作り上げた作品かぁ、とお父さん方は皆さん満足されるようですよ。実際、自分の子供かどうかなんて男にはわからないものですしね」
ブ男の言葉は、確かに、と納得させるものがあった。男は昔からプラモデルには目がない。パーツのひとつひとつを丁寧に色づけしてから嵌め込むこと自体が楽しいことはよく知っているのだ。意外に楽しいかも、男はそう思い始めていた。
「ここをこれに変えるとオリンピック出場選手クラスの運動能力を手に入れられます」
ブ男は薄茶色の塩基をテカテカした褐色のモデルに変更した。
「そ、そんなこともできるんですか?!」
「ええもちろんで
。ただし、これは現時点での能力ですから、20年後の標準記録を上回れるかどうかまでは保証しませんけど」
「そこを保証してもらう方法はないんですか?」
「そこはオプションになりますね…… 医療点数が+200となりますがどうなさいます? 足しときます?」
「そ、そうですね。同じなら、やっぱり……」
「ですよね~。一生に一度のお買い物ですもんね。皆さん、このオプションは選ばれます」
ブ男は褐色のパーツに嵌めかえると、やはり嬉しそうにモデルをスリスリした。
「ほら、お父さんもやってください。こうやってスリスリしてると愛情沸きますよ」
そう言われてただのプラスチックをスリスリしてみると、ソフトラバー製のモデルは妙に生温かく、父性本能を刺激した。
「でもなぁ…… ボクは髭濃いし。背も低いし小太りだし……」
男は楽し気な顔を曇らせた。毎朝見ないわけにはいかない鏡に映る自分の顔でも思い出したのだろう。
「ですから、大丈夫ですって。関係ないですから、あなたには!」
ブ男は断言した。おいおい、そう断定的に言い切っていいのかよ、金融商品取り扱いならきっとコンプライアンス規定違反になりそうな勢いで、ブ男は将来の成果を断定的に約束した。
「ホントですか? 自分の子なのに大丈夫ですか?」
「ええ! 私が保証します」
あ~ぁ、ゆーてもーた。
「あなたの身体的特徴は一切表に出しません!ご安心ください」
「そ、それもねぇ……」
そこまで言われるとかえって醒めるものだ。一般消費者の心理とはホント、ネコの目のように移ろいやすい。ってネコの目なんか観察したことはねーが。
でも、ブ男は落ち着いている。これまで何千もの男を決心させた実績の持ち主であるブ男は、こんなところで引き下がるような半端モンじゃない。
「ご主人! この期に及んで何を迷ってらっしゃるんですかっ! いいですかよく考えてください」
ブ男は身を乗り出して凄んだ。
「あなた、出したいですか? あなたのその特徴! 
毎朝しっかり髭剃りしたはずなのに、夕方にはもううっすら青くなるその口回り!
それにその身長! 満員電車の中で窒息しそうになるチビのくせに横幅だけは人の倍もあるから座席に座ると隣の人から胡散臭い目で見られる! 
そんなあなたの特徴を表に出したいですかっ?
これまで味わってきた数々の苦痛屈辱を、あなたの愛する子供さんにも味わせたいのですかっ!? 
あなた、お父様ですよ。そんなこと、子供に課す親なんかこの世にはいないっ!」
ここが正念場と踏んだブ男の説得はやけに力強い。ガマガエルのようなブツブツの額に汗がじわりと滲んだ。
「う~ん…… でも、その子が自分の子であることが……」
男は住宅ローンを組む直前の甲斐性なしと同じように躊躇った。いるんだよなぁ、こういうやつ、という露骨な顔をしてブ男はイラついた。
「大丈夫です。必要なら当医院でDNAのどことどこを交換したか、ちゃんと証明書出しますから」
「そ、そこまでしてくれるんですか?」
「はい! 要望されるお客様も多いですよ」
他の客も躊躇するもんだと言われると、男もなぜか安心する。小市民とはこんなものだ。
「それでもご心配なら、……」
ブ男は、とっておきの切り札がある、と言わんばかりの勿体ぶった言い方で男の興味をひいた。
「なんですか? ほかに何かいい方法でも?」
「ここまで懸命に考えてらっしゃるご主人のためです。あまりほかの人にはお勧めしていませんが他の方法も確かにあります。
ゲノム編集ははっきり言って、面倒だし価格も高い。もっとリーズナブルな方法がなくはないです。
もし、お客様がどうしても、って仰るなら、特別に手配いたしますが……」
「な、なんですか、それは!」
男は食いついた。一生涯の買い物と言われても、そこそこ値段の張るゲノム編集はやはり高嶺の花だ。男はブ男の胸ぐらを掴みかからんばかりに迫った。ブ男は生臭いイワオ似の男の顔を避け、おもむろに代替策を説明し始めた。
「それはですね……もともとそういう遺伝子を持っている人の精子を奥さんに注入すればいいんです…… ラブ注入♡、ですね」
ブ男はヤマピーの口真似をしながら、胸元に手で♡マークを作って見せた。こいつ……やっぱ関西人じゃねーな。
「でも、それって、私の子、と言えるんですか?」
「な〜んも心配ないっしょ。出生届出しちゃえばこっちのもんです。幸いなことに出生届にゲノム情報を添付する必要はないし、わかりゃしませんよ。
それに、こっちの方が神の摂理に近いと
えば近いし」
男は悩んだ。そうだよな、別に黙ってりゃわかんないよな、そうも思った。
だが、なかなか踏み切れない。決められない。いざとなった時、男という生き物は情けないものだ。
その様子を見ていたブ男は、やれやれという様子で最後の言葉を用意した。逡巡する男というものは最後に背中を押されないと何事も決められないものだ。
「ご主人、大丈夫です。誰もがやってることです」
……
10か月後、オカリナ似の奥さんから、カワ(・∀・)イイ!!女の子が生まれた。カワ(・∀・)イイ!!その子がデザイナーベイビーであるか、ただの種違いかは誰も知らない。ひとつだけ確かなことは、この子はイワオには似ていない、ということだけだ。
だが、それに違和感を持つ者はいない。周囲を見渡せば、よく似たカワ(・∀・)イイ!!子だらけなのだ。
「なんか、つまんないね」
オカリナ似の奥さんがポツリと呟いた。
メトロポリスの夕闇は、デザイナーズマンションにも、二階建ての木造アパートにも等しく訪れた。イワオ似の男とオカリナ似の女は、互いの顔を見つめてプッと吹き出した。それはとても幸せそうな顔だった。
おしまい。。
※フィクションです。登場する固有名詞はどの芸人、俳優さんにも関係がありません。また、正当な医療行為を揶揄するものでもありません。
 ✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
お口直しにこちらの映画どうぞ。
『GATTACA』 今こそ見るべき素晴らしい映画です。この機会にぜひ。
2,000円
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監督:AndrewアンドリューNiccolニコル
出演:EthanイーサンHawkeホークUmaユマThurmanサーマンJudeジュードLowロー
音楽:MichaelマイケルNymanナイマン

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2018年11月29日

近年、がん細胞は遺伝子の異常により生まれた細胞ということが分かってきました。

最近になり「がんゲノム医療」、「プレシジョンン・メディシン」という言葉を良く耳にします。

患者さん個々の遺伝子情報に基づき、患者さん個々に適切な薬剤を選び、最大の効果をもたらす治療のことを指します(オンコロさんHPより)。

近年では遺伝子パネル、ゲノム解析の進歩によりゲノム医療に大きな期待が寄せられています。

しかしながらその一方ではまだまだ問題が山積みとなっておりボクたちの身近なものにはなっていない

のが実情です。

この度、オンコロさんが「がんゲノム医療~現在、未来、その先へ~」という動画を制作されました。

この動画では、がん治療を専門とする医療者、そして、患者・遺族が現在感じているゲノム医療についての思いを聞くことができます。

4分弱の動画です。

このブログの読者の皆様にも見ていただけると嬉しいです。

問題となっている点が速やかに解決し、

「がんゲノム医療」が早く身近なものとなることを願っています。

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<今日の一言>
ゲノム医療が未来を変える

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We will live !! We are not alone.

ゲノムのある時 ない時

僕らはみどりちゃんから、カーネーションのCHI遺伝子、DFR遺伝子など遺伝子のクローニング、すなわちDNAの中から、目的のタンパク質の情報を持った部分を特定し、その部分だけを単離し、増幅する方法を優しく学んだ。

「みどりちゃんのおかげで、植物からどうやって目的の遺伝子を取り出すのか、よくわかったよ。ありがとう」

「いいえ。意外に力仕事なんです」

「えい! って感じの多少のひらめきを元に」

「目的の遺伝子部分の特定。これが結構難しいですね」

「隆は褒めてたよ。みどりちゃんは遺伝子取りの達人だって」

「そんなことないです。隆先輩もすごいです」

「隆先輩の研究テーマは生物化学においての天然物化学、酵素、そしてゲノム編集を含む遺伝子工学と幅広いのに、楽々とこなしています」

「うちの正も、研究分野が幅広いのに、いろいろ楽々とこなしているんですよ〜」

「恵ちゃん! ちょっと待った」

「まずは、みどりちゃんの話を最後まで聞こうよ」

みどりちゃんが話を続ける。

「天然物化学の目的は有用な物質を発見し、それが本当に有用であるかを確認し、もし有用ならば、その供給法を確立することにあります」

「天然物の単離、構造決定、そして合成です」

「なんだ、隆の研究、僕らの一連の色素の研究にそっくりだね。僕らには合成はないけれど」

「ある意味、皆さんの研究は私たちの研究にとても近いんです」

「私たちの生命工学研究室の目的は、工学的に、例えばタンク培養などで目的物の合成を行う」

「皆さんの研究は遺伝子を見つけて植物に組み込む、あるいはその情報を元に育種をすることで、植物自身で、例えば色素の合成を行わせる、というところが少し異なります」

「私たちの研究は、研究の過程で発見される酵素利用、目的物を合成するための遺伝子利用、そしてその合成の工学的手法、そんな風に研究が繋がっていきます」

「正先輩方は、園芸学から少し離れた自由研究の中で天然物科学、遺伝子の研究をやっているからすごいと思います」

「正先輩や恵先輩の色素研究、義雄先輩の遺伝子研究。うまく繋がって、スムーズにことが運んでいると思います」

「いや、僕のは大部分がみどりちゃんのおかげ」

義雄が照れ臭そうに答える。

「みどりちゃん。元々はどこかのおてんばさんが、カーネーションのオレンジ色の秘密を解明したいと言ったことから始まって……」

「繰り返しますが、うちにもいろいろな仕事を、スムーズにこなす輩がいるんです」

恵ちゃんは、ニコニコしてみどりちゃんに話す。

みどりちゃんは微笑む。

「恵ちゃん、僕は楽々ではないよ」

「恵ちゃんのためだよ、全く……」

「そう、実は正しくん、忙しくて、そして貧乏なんです」

みどりちゃんが、大きめの笑い声でフフフと笑う。

「貧乏は余計だよ」

「あら、こういう句があるのよ」

「正くんに、つるべ取られてもらい貧乏」

「誰、そんな句を読んだのは?」

「さあ?」

「朝顔や、つるべ取られてもらい水、でしょ?」

「句の意味は、ある朝、井戸に水を汲みに行ったらつるべに朝顔のツルが巻きついていて、水を汲むには、その朝顔を取らなければいけない」

「でも、あまりにもキレイな朝顔なので取ってしまうのはあまりに惜しいから、このままにして隣へ水をもらいにいきましょう」

「そういう意味だよ」

「どこから、つるべ取られてもらい貧乏、という発想が生まれる?」

「アメリカ行っても、1年間、庭師の給料だけだから貧乏、続きそうだしね〜」

恵ちゃんは、カラカラ笑う。

みどりちゃんも大きく笑う。

「何より、誰がアメリカ行き、僕に決めた?」

「あら? 違うの?」

「もう流れができているじゃない」

確かに、僕がアメリカ行きの流れに乗せられている。

「お祝いに、滅多に行かないけど、バーガーショップに行こうか?」

恵ちゃんが、思いついたように話し出す。

「生協の2階の、喫茶ラ・ヴァルスの奥隣」

「なんて言ったっけ?」

「トムズドック」

みどりちゃんが答える。

「そうそう、トムズドック」

「確かアメリカンドックみたいのがあったと思う」

「あった、あった! 思い出しました」

「じゃあ、大樹くんはいないけど、みんなでお祝いね!」

みんなで、きゃっきゃ、きゃっきゃ盛り上がっている。

「アメリカンドック? あの、僕さ……まだ……」

僕は実験室の方へ、恵ちゃんの手を引き連れ出す。

「あのさ、僕。1年間、恵ちゃんを抱けないなんて耐えられない」

「そうきたか」

「下半身で答えないでよ正くん。正くんには賢い頭があるでしょうが」

「まだ6月よ?」

首を傾げて恵ちゃんは優しく微笑む。

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11月29日
朝5時55分

眼鏡もかけず
目も半開きで
洗面台の鏡に
わたしを映す
あっちゃこっちゃ
髪がぶっ飛んでる
重力と同じ向きの
ストレートな髪が
縦に横に斜めにと
好き勝手に広がる
あれ?
この髪
何かと
似てる
寝癖も直さず
スマホを手に
見付けた1枚が
この写真だった
「伸びる」って言うと
前と上しかないように
勘違いして
いるけれど
横だって斜めだって
伸びるには違いない
たとえ地面から同じ高さでも
見える景色も当たる光も違う
同じ高さに1本の枝しかなかったら
幹も太くなれず葉も花も少なくなる
限られた空間の中
譲り合って生きる
みんなが生きる智恵
この木は持っている
温かさも冷たさも
高さも低さも知り
いろんな角度の
景色を見ている
きっとこの木は
強くやさしい木
わたしの寝癖とは
大違いだね(笑)

真っ直ぐに見える

木の根元にだって
凸凹はあるし
光と影もある
結局どこをどう見たって
宇宙の縮図がそこに在る
だから
大丈夫
誰かや何かと比べてみて
大きく高くなれなくても
今日は今日のベストを尽くせば
今日もここで生きていてもいい

朝6時33分

空を見上げる
あれ?
まだだ
太陽は
まだだ
だけど

大丈夫

オレンジは
もう見える
夜明けは
すぐそこ
水溜りを踏むタイヤの音で視点を変え
濡れた屋根を見て雨上がりだと気づく
今日のあさんぽは
水滴撮り放
かな
今から
楽しみ
おっと!
寝癖直すの
忘れてた!
だけどもう
行かなきゃ
何でわたしいっつも
このパターンかなぁ
なーんて
HIRO
あなたに
聞いても
いつものように眉間にシワ寄せて
「知らん」って一言言うだけだね
それでもいい
声が聴きたい

なーんて

甘ったれたしょうもない結末の詩を
電車の中で書き上げ最寄駅に着いた
改札を出て
階段降りて
真っ先に見た空は
すっかり晴れた青
太陽があなたの手のように
左をあっためてくれている
あー今日も
多分大丈夫
わたしは愛されているし
今日も笑って生きられる
朝8時15分
バス停に着く

さぁて

今日は
どこをどう
歩こうかな
この記事を読んで下さっているあなたへ
本日の詩は
「大丈夫な朝」でしたうさぎクッキー
寝癖は全然大丈夫じゃないですが(笑)
最寄り駅のお手洗いでどうにか解決宇宙人
あさんぽで撮影を楽しみにしていた水滴は
もうすっかり干上がっていて残念でしたが
雨上がりの公園の土は
ふかふかして沈みそう

いろんな色と形が身を寄せ合って

限られた空間を分け合う姿が好き
それはそうと
今日は昨日の記事でも
ご紹介した本の中から
「生きるとは生かされること」
という項目をご紹介しますイチョウ
886円
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生きるとは
環境のすべてをからだの取り入れること。
&nbsp
;
水と土と日光と空気と食物の
ありがたさに気づくこと。
科学で自然を作れるでしょうか。
生きるとは
ただ自然に生かされているだけのこと。

わたしは研究で遺伝子組換え植物も作っていたし

今はもうゲノム編集という技術も進んできたから
ひとつひとつの「個体」をつくることは
将来技術的には可能になるかも知れない
ただしそれはあくまで0からではなく
雛型を細工しているに過ぎないですし
ましてひとつひとつの間に働く
相互作用のエネルギーの流れを
0からつくるのは
難しいと思います

咲く花と散る花が今ここに在る

どちらの花をどうにもできない
散歩をすることは
自分の無力を知り
同時にできることを見付け
いただいた時間で返すこと
生かされているだけだけど
やっぱり良くしていきたい
そう思って
しまうのは
人間のエゴでもあり
人間の本能でもあり
「神の分け御霊」
という証でもある
そんなこと書きながらふと思った
半分眠たい昼休みなのでしたうさぎクッキー
本日のテーマ曲は

Brandon Jenner – All l Need is You

ホントは昨日これにしようと思ったけど

出来上がった詩が「I Believe 」を呼んだ

今日こそ

これかな

そう言えばHIRO

あなたって何だろう

わたしの外がどこなのかがわからないように

あなたの外がどこなのかもわからないだろう

あなたの中に

わたしはいて

わたしの中に

あなたはいる

どこからどこまでと分けられないわたしたちが

互いに必要かどうかなんて問うまでもないこと

胸がギュッと縮まって

言葉にならなかったら

きっと

それが

問であり

答なんだ

青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線

★意味なし付録:本日のネコ先生
折り畳んでも
すぐ元に戻る
猫のカラダは
やわらかいの
ちょっと
あなたね
インスタントラーメンじゃあるまいし
お湯かけて3分間待つなんてお断りよ
の巻
青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線青線水色線
★追伸:わたしの半分へ
全く同じ時間に
全く同じ場所で
全く同じ景色を見て
全く同じ感想を持つ
なんて
ことは
できないのが
当たり前なの
わたしたちは誰もが
互いを映す鏡であり
互いに互いを心底求め合って
必要だから出逢えた仲間同士

さっき去年の記事見て
ふと気付いたんだけど
想いって
きっとね
真っ昼間の空に輝く
星みたいなものなの
あるけど
見えない
でもちゃんと
ここにはある
そういう
ものなの

昼間は星が見えないけれど

代わりに見える紅葉がある
どこに焦点と視点があるかで
見えたり見えなかったりする
でも実は
全部ある
散歩ってバリバリ
「生きる」だね☆

本当にヤバいゲノムの脆弱性4つ

オープニングのこの美しい映像は……
.
映画『GATTACA』より 「The Departure」
皆さんこんばんは。
ここ数日、ゲノム編集で誕生した(と言われている)双子のことが話題ですが、それに関連して耳にする「デザイナーベイビー」という言葉。
今夜はこの言葉に触発されて思いついた短編をアップしてみます。ちょっとおふざけが酷いかな……
 ✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
男は、ある病院の一室で短い啓蒙ビデオを見せられていた。
「♡ ウェルカム マイ デザイナーベイビー ♡」
小洒落たデザイナーズマンションのリビングからメトロポリスを見下ろす様子を背景に、♡マークで囲まれた文字が浮かび上がった。昔は出産を控えた妻を持つ男が父親学級に参加したらしいが、今は子供を持ちたいと思うや否や、なぜか近くの産婦人科でこのビデオを見せられる。政府が新たに決めたコンプライアンス規定らしいが、男は頻繁に出てくるピンクの♡マークが、よく通う風俗のお店を思い出させて落ち着かなかった。
画面はマンションからの遠景に続いてごく普通の男女を映し出す。ショッピングモールで出会いそうなふたりでな~んの特徴もない。夫役は俳優のオイカワに似ているが、妻役はダンレイさんには似ても似つかない。そりゃそうだろ、妻がダンレイさんなら、そもそもデザイナーベイビーじゃん。
そんな男のひとりツッコミはさておき、映像はふたりに挟まれた青い目のベイビーに変わる。やわらかな金髪が、なぜか風にそよいでいた。
「どうです? ええやんこれ、って思いましたよね?」
小指にデカいカレッジリングを嵌めたブ男が、中途半端な関西弁で話しかけた。( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う下品な顔が醜い……そう、ケイシイタカミネみたいだ。
「ええ、まぁ…… でも私には関係のない世界ですけど」
そりゃそうだ。
男はフットのイワオに似ている。あいつはブサカワだが、おまえはただのブサイクと言われ続けた。どこがどう違うんだ? と鏡を見るがブサカワとブサイクの区別はなかなか難しい。
「それに、ヨメハンも……」
そう言いかけて止めた。男の妻はオカリナに似ている。が、見ようによってはカワ(・∀・)イイ!!じゃねーか、男はマジでそう思っているのだ。
「いえいえ、ご主人。ご主人さえご決断なされば、こんな顔くらい、おちゃのこさいさいですから」
胡散臭いカレッジリングのブ男は自信満々にお茶漬けを掻っ込む真似をして( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。笑いのツボが違うから、関西人ではなさそうだ。
そんなことにはお構いなく、ブ男はおもむろに螺旋のDNAモデルを男の前にデンと置いた。前置きは終わったらしい。
「いいですか、ご主人。子供の身体的特徴というのはですね、こことここ、それからここもかな。まあこっちも入れとくか、ついでにここ……、まあこんなもんだろ。ねっ、ご主人、この三っつ四っつのパーツをちゃっちゃっと切ってですね、お好みのパーツと交換するだけで、どーにでもなるんですよ」
ブ男は塩基モデルのいくつかを別の色のものに取り換えて、ほら、と男の前に差し出した。男が手にしたモデルは、もう何千回も使い廻されているのだろうか、一部が欠けたり色が剥げたりしている。
「ここを交換するとどうなります?」
男はぐるぐるとモデルを回しながら、生々しいピンクで色付けされた塩基のひとつを指先でつまんでみた。
「そこですか? えーっと、ちょっとお待ちくださいね…… ABの775568番ね…… あー、そこはおっぱいのサイズですね。デフォルトは1ですが2にして豊満にもできますよ。そうします?」
「えっ…… 妻のでもないしなぁ、デフォルトでいいです」
「そうですね。バランスが妙なのもね。ここはデフォルトがお勧めです」
そう言って、ブ男はピンク色の塩基をなぜか嬉しそうにスリスリした。
「こんなふうに作り上げていくんですよ。楽しいでしょ? 突然生まれてこんにちわ、と言われるより、おー、これがオレの作り上げた作品かぁ、とお父さん方は皆さん満足されるようですよ。実際、自分の子供かどうかなんて男にはわからないものですしね」
ブ男の言葉は、確かに、と納得させるものがあった。男は昔からプラモデルには目がない。パーツのひとつひとつを丁寧に色づけしてから嵌め込むこと自体が楽しいことはよく知っているのだ。意外に楽しいかも、男はそう思い始めていた。
「ここをこれに変えるとオリンピック出場選手クラスの運動能力を手に入れられます」
ブ男は薄茶色の塩基をテカテカした褐色のモデルに変更した。
「そ、そんなこともできるんですか?!」
「ええもちろんで
。ただし、これは現時点での能力ですから、20年後の標準記録を上回れるかどうかまでは保証しませんけど」
「そこを保証してもらう方法はないんですか?」
「そこはオプションになりますね…… 医療点数が+200となりますがどうなさいます? 足しときます?」
「そ、そうですね。同じなら、やっぱり……」
「ですよね~。一生に一度のお買い物ですもんね。皆さん、このオプションは選ばれます」
ブ男は褐色のパーツに嵌めかえると、やはり嬉しそうにモデルをスリスリした。
「ほら、お父さんもやってください。こうやってスリスリしてると愛情沸きますよ」
そう言われてただのプラスチックをスリスリしてみると、ソフトラバー製のモデルは妙に生温かく、父性本能を刺激した。
「でもなぁ…… ボクは髭濃いし。背も低いし小太りだし……」
男は楽し気な顔を曇らせた。毎朝見ないわけにはいかない鏡に映る自分の顔でも思い出したのだろう。
「ですから、大丈夫ですって。関係ないですから、あなたには!」
ブ男は断言した。おいおい、そう断定的に言い切っていいのかよ、金融商品取り扱いならきっとコンプライアンス規定違反になりそうな勢いで、ブ男は将来の成果を断定的に約束した。
「ホントですか? 自分の子なのに大丈夫ですか?」
「ええ! 私が保証します」
あ~ぁ、ゆーてもーた。
「あなたの身体的特徴は一切表に出しません!ご安心ください」
「そ、それもねぇ……」
そこまで言われるとかえって醒めるものだ。一般消費者の心理とはホント、ネコの目のように移ろいやすい。ってネコの目なんか観察したことはねーが。
でも、ブ男は落ち着いている。これまで何千もの男を決心させた実績の持ち主であるブ男は、こんなところで引き下がるような半端モンじゃない。
「ご主人! この期に及んで何を迷ってらっしゃるんですかっ! いいですかよく考えてください」
ブ男は身を乗り出して凄んだ。
「あなた、出したいですか? あなたのその特徴! 
毎朝しっかり髭剃りしたはずなのに、夕方にはもううっすら青くなるその口回り!
それにその身長! 満員電車の中で窒息しそうになるチビのくせに横幅だけは人の倍もあるから座席に座ると隣の人から胡散臭い目で見られる! 
そんなあなたの特徴を表に出したいですかっ?
これまで味わってきた数々の苦痛屈辱を、あなたの愛する子供さんにも味わせたいのですかっ!? 
あなた、お父様ですよ。そんなこと、子供に課す親なんかこの世にはいないっ!」
ここが正念場と踏んだブ男の説得はやけに力強い。ガマガエルのようなブツブツの額に汗がじわりと滲んだ。
「う~ん…… でも、その子が自分の子であることが……」
男は住宅ローンを組む直前の甲斐性なしと同じように躊躇った。いるんだよなぁ、こういうやつ、という露骨な顔をしてブ男はイラついた。
「大丈夫です。必要なら当医院でDNAのどことどこを交換したか、ちゃんと証明書出しますから」
「そ、そこまでしてくれるんですか?」
「はい! 要望されるお客様も多いですよ」
他の客も躊躇するもんだと言われると、男もなぜか安心する。小市民とはこんなものだ。
「それでもご心配なら、……」
ブ男は、とっておきの切り札がある、と言わんばかりの勿体ぶった言い方で男の興味をひいた。
「なんですか? ほかに何かいい方法でも?」
「ここまで懸命に考えてらっしゃるご主人のためです。あまりほかの人にはお勧めしていませんが他の方法も確かにあります。
ゲノム編集ははっきり言って、面倒だし価格も高い。もっとリーズナブルな方法がなくはないです。
もし、お客様がどうしても、って仰るなら、特別に手配いたしますが……」
「な、なんですか、それは!」
男は食いついた。一生涯の買い物と言われても、そこそこ値段の張るゲノム編集はやはり高嶺の花だ。男はブ男の胸ぐらを掴みかからんばかりに迫った。ブ男は生臭いイワオ似の男の顔を避け、おもむろに代替策を説明し始めた。
「それはですね……もともとそういう遺伝子を持っている人の精子を奥さんに注入すればいいんです…… ラブ注入♡、ですね」
ブ男はヤマピーの口真似をしながら、胸元に手で♡マークを作って見せた。こいつ……やっぱ関西人じゃねーな。
「でも、それって、私の子、と言えるんですか?」
「な〜んも心配ないっしょ。出生届出しちゃえばこっちのもんです。幸いなことに出生届にゲノム情報を添付する必要はないし、わかりゃしませんよ。
それに、こっちの方が神の摂理に近いと
えば近いし」
男は悩んだ。そうだよな、別に黙ってりゃわかんないよな、そうも思った。
だが、なかなか踏み切れない。決められない。いざとなった時、男という生き物は情けないものだ。
その様子を見ていたブ男は、やれやれという様子で最後の言葉を用意した。逡巡する男というものは最後に背中を押されないと何事も決められないものだ。
「ご主人、大丈夫です。誰もがやってることです」
……
10か月後、オカリナ似の奥さんから、カワ(・∀・)イイ!!女の子が生まれた。カワ(・∀・)イイ!!その子がデザイナーベイビーであるか、ただの種違いかは誰も知らない。ひとつだけ確かなことは、この子はイワオには似ていない、ということだけだ。
だが、それに違和感を持つ者はいない。周囲を見渡せば、よく似たカワ(・∀・)イイ!!子だらけなのだ。
「なんか、つまんないね」
オカリナ似の奥さんがポツリと呟いた。
メトロポリスの夕闇は、デザイナーズマンションにも、二階建ての木造アパートにも等しく訪れた。イワオ似の男とオカリナ似の女は、互いの顔を見つめてプッと吹き出した。それはとても幸せそうな顔だった。
おしまい。。
※フィクションです。登場する固有名詞はどの芸人、俳優さんにも関係がありません。また、正当な医療行為を揶揄するものでもありません。
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お口直しにこちらの映画どうぞ。
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監督:AndrewアンドリューNiccolニコル
出演:EthanイーサンHawkeホークUmaユマThurmanサーマンJudeジュードLowロー
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