ギャンブルと禁煙の意外な共通点

術後1年半でステージ4と診断され、それから数ヶ月経っていました。

あと何年生きれるかわからない。

でも、愛妻家へと豹変した？夫に大切にされていると毎日実感していました。

薬の副作用で足元がふらつく私の手をしっかりと握ってくれる夫。

穏やかで温かい愛情に満ちた日々。

彼を愛し続けてよかった…

そう思っていました。

ある夜、帰宅した夫が私に車の鍵を渡して言いました。

「電池が切れたみたい」

電子錠が反応しないため、ケースの中の鍵🔑を取り出して、昔の車みたいに鍵🔑を使って車を開け、エンジンをかけたそうです。

「あなたのはどう？」

私達はお互いの車のスペアキーを所持しています。

私の持つスペアキーを試してみると電子錠が反応せず、両方とも電池切れであるのがわかりました。

次の日は私の仕事が休みだったので、私が電池を交換して夫の職場に届けることになりました。

翌日の午前11時頃、夫の職場の駐車場に着いて、念のため実際に解錠ボタンやキーレスエントリーが作動するのを確認し、夫の携帯に電話しました。

…が、出ません。

そこで、今、彼は手が離せない状態であるのだろうと思い、夫の自室（夫は職場で個室を与えられています）に置いていく事にしました。

部屋に入ると、煙草の匂いで少し気持ち悪くなりました。

ソファの前のローテーブルの上に吸い殻で一杯になった灰皿がありました。

夫の職場は一応全館禁煙になっていて、建物内に喫煙所がありません。

夫は以前は喫煙者だったし（子供が生まれてから禁煙しました）忙しくて自室にいる時間も短く、ドアの鍵も開けっ放し（だから、私が勝手に入れるんですがね）なので、夫の部屋が少数の喫煙者の秘密の喫煙所と化していました。

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私は夫の服や持ち物に、いつもタバコの匂いが付いているのが気に入らず、いつもその事について、職場の人の文句を言っていました。

夫は職場で優しく大らかな性格だと言われていて、周囲の人達から利用されているのだと…思っていたのです。

ですが、夫の机の上に小さな缶があり、それに吸い殻が入っているのを見つけました。

夫自身がまだタバコを完全にはやめていないと、私は確信し、「やっぱり騙されてたんだ」と悲しくなってしまいました。

私は長く生きれない。

子供は未だ小学生。

だから、夫には健康でいてもらわなくては。

子供を託さなくちゃいけないから。

夫だって、そんな事わかってるはず。

それなのに…

私は脱力して夫の椅子に座り、開いていた机上のノートPCを閉じようとしました。

夫は何か慌ててこの部屋を出た様で、PCはスリープの状態でしたが、ロックもかかっておらずオンラインゲームがついていました。

仕事の合間にくだらないゲームをやってるのか、と、ちょっと呆れました。

彼は、実務以外にも、管理系の事務仕事が山積みです。

ゲームする時間があるなら、それらの溜まった仕事を片付けるべき。

そうしたら、その分早く帰宅できるのですから。（夫は現在そうしています）

ガッカリしました。

タバコの件で、夫への不信感が芽生えた私は

「もしかしたら、彼がまだ他にも、私に隠している事があるのだろうか？」

と思い始めました。

緊張で僅かに震える手は、気がつくとマウスを握っていました。

「ほら、ただの杞憂だった！」

そういう結果を望んでいました。

事実を確認して、夫の潔白を証明したかった。

ただ、彼への不信感を払拭したかった。

2018